キオクノオト

記憶の音 ~ 好きだった人。好きな人。好きになってくれた人。

京都で彼を想う。

ひとり旅。

 

わたしはひとり旅が好きだ。

誰にも邪魔をされず、自分の好きな時間に自分のペースで

行きたいところに行けるから。

だから早朝とか深夜でもガンガン行動する。

誰かが一緒だと、こういうことってなかなか出来ないし。

 

京都へひとり旅。

安井金比羅宮へ行く。

悪縁を切り良縁を結ぶというご利益があるという。

 

わたしにとって悪縁とは誰で、良縁とは誰なんだろう?

ご利益をものすごく信じているわけではないけど、

ここにお詣りしたことで、なにか変化があるのかな。

 

次の日の早朝、伏見稲荷大社に行く。

ちょうど到着した頃、彼からLINEが届く。

こんな朝早くにLINEを送ってくるなんて、本当に珍しい。

 

『実は今、京都にいるんですよ。ちょうど伏見稲荷にいるので

〇〇さんの仕事運が上がるようお詣りしてきますね!』

 

なんて、調子のいい言葉を送る。

 

『ほんとですか!すごく嬉しいです』

 

その日の晩、

『ariesさんが願掛けしてくれたからか、1件受注が入りました!』

と、またLINEが送られてきた。

いや、実は面倒で願掛けはしなかった・・・とは言えない。

 

一緒に京都に行きたかったと彼は言う。

でもわたし達は付き合ってないから、彼は

『別の部屋でいいんで、少し離れて歩いてもいいんで(笑)』

と、冗談めかして言う。

 

『そうですね。いつか一緒に行けたらいいですね』

わたしはちょっと挑発的に言う。

 

本当はね、京都にいる間ずっと彼のことを想っていたよ。