キオクノオト

記憶の音 ~ 好きだった人。好きな人。好きになってくれた人。

ファンなんだってさ

同じ会社にいても、顔だけは知っていても、

接点がなければその人がどういう人なのかはわからない。

 

15年くらい前の話。

 

彼のことは顔だけは知っていたけど、働いている地域も違ったし

お話したことすらなかった。

当時営業マンの中で『四天王』的な存在がいて、

その中の一人『北の〇〇』と呼ばれているのが彼だった。

4人のうち3人は『ライバルであり良き仲間』と呼び合い、

表彰のステージでは3人が毎回ガッチリと握手しているのが印象的だった。

そういう姿を見て、なんだかキラキラして素敵だな~と

ステージの下から見ていたわたし。

 

ある時、四天王の残る一人の男(3人の中には入ってない)が、

『〇〇さんってariesさんのファンなんだってさ』

と。

 

『え?お話したことないんだけど。なんで?』

『知らねー。でもそう言ってたよ』

 

わたしは彼の存在を知っているけど、

彼がわたしのことをどこの誰と知っているのが意外だった。

 

でもなんだかちょっとだけ嬉しかった。

わたしのこと、そう思ってくれる人がいるんだ。