キオクノオト

記憶の音 ~ 好きだった人。好きな人。好きになってくれた人。

こんな俺と・・・なんて言わないで。

彼はわたしの前では低姿勢だ。

 

仕事上ではいつもバリバリやってて、

時として権力を振りかざしているようにも見える彼。

 

なのに、わたしに対しては異常なくらい気を遣う。

わたしのほうが役職はずっと下なのに・・・。

 

先日ふたりで会った時、

「俺、その場にいた人たちみんなに自慢したかったもんね。

どーだ!すごいだろ!って」

なんて、本気で言う。

 

いやいや、わたしはそこいらにフツーにいるおばさんですから。

彼の目にはいったいどんな風に見えてるんだろ?って

ものすごく不思議だった。

 

「こんな俺と一緒に飲みに行ってくれて」

「こんな俺の横を歩いてくれて」

 

そういうふうに言わないで。

 

わたしが一緒に居たくて、一緒に並んで歩きたかったんだから。