一緒に時を刻もう
わたしの住む家が完成して引き渡しになった。
この計画が立った頃、彼とはどうこうなろうということは
考えてなかったので、わたしの終の棲家になるだろう家。
彼の頭の中では『いつかきっと』という、
共に歩んでいきたいという思いがあるみたいだけど、
ごめん、ここは一人で住むための空間なんだ。
「家が出来たよ」
と伝えたとき、なにかお祝いの品を贈りたいと言ってくれた。
部屋に置く時計を買おうかなと思ってるようだ。
「一緒に時を刻もう」
彼はふざけてそう言っていたが、
なんだかプロポーズみたいな言葉だね。